ドアを開けると、灰色の階段があった。
灰色の階段の上には、踊り場があった。
踊り場から上を見上げると、プラスチックの丸い天井から、太陽が透けて見えた。
プラスチックは、紫外線で焼けて白く濁っている。
踊り場から上はベージュ色の階段になった。
階段を登り切ると、どこまでも水田が広がっていた。
畦道には所々、プラスチックの丸い天井が頭を出している。
人々はみな地下で、寝て、起きて、せっせと働いている。
疲れた人々は、夜になると、灰色の階段をのぼり、月明かりの下で星を眺めたりする。
ここは、地中都市だ。