山手線のはなし

春休みといっても大学の春休みは2月から始まるからあんまり春っぽくない。で、その春休みのある日、すごく暇でもうどうしようもなくて、掃除でも勉強でも何かしらやることはあったはずなんだけど、とりあえず財布だけもって家を出ることにした。

テクテク歩いて行くと山手線の駅にぶつかって、そういえば山手線の大回りってやったことないなーってなって乗ることにした。

知恵袋によると、乗った駅と同じ駅で降りるのはNGで、隣の駅に行って戻ってきた扱いになって初乗りの二倍かかる。でも乗った駅の一つ手前でおりれば大丈夫らしい。130円で1時間弱楽しめて、そこそこお得感がある。

一周で一時間弱もあるから、それぐらいぼーっとしてたら何か楽しいこと思いつくかなあ、なんて気楽に考えて、最近買い換えた安物のイヤホンをしながら目を閉じていたらいつの間にか寝ていて、目を覚ましたら半周も経っていた。

あーもったいないことしたなー、急いでぼーっとしなきゃ、なんて思うんだけど、「急いでぼーっとする」は言葉としておかしいし、実際うまくいかない。ここではぼーっとするというのは何も考えないとかそういう普通の意味でつかってるわけじゃなくて、頭の中から赤い玉や白い玉をランダムに抜き出して、なにか面白いことがないか探す、みたいな積極的な意味で使っている。意識的にこういうことをしようとしても、同じ玉ばかり引いてしまってよくない。

 

さて、寝ていたとはいえども半周20分は残っていたし、うまくいかないながらも何かのアイデアのしっぽを掴んだような気になった。帰ってからコーヒーを飲みながらちゃんと考えたら結局その思いつきはあまり面白くないことがわかったけれど、この山手線ゲームはアリだ、また機会があればやりたいと思った。