「二度あることは三度ある」について。

「二度あることは三度ある」ということわざがある.
これを書き換えて,こうする.

問題:
重さの偏ったコインが10枚,袋にはいっている.
これらのコインの表が出る確率はそれぞれ5%,15%,25%,...,95%である.
ここからランダムに一枚コインを取り出した.
そのコインを2回投げると,2回とも表になった.
このとき,そのコインをもう一度投げて表になる確率はいくらか?


まず,それぞれのコインについて2回表になる確率(=p^2)を求める.

表になる確率p 5% 15% 25% 35% 45% 55% 65% 75% 85% 95%
2回とも表になる確率 0.25% 2% 6% 12% 20% 30% 42% 56% 72% 90%


図の赤い部分の長さはそれぞれのコインの2回とも表になる確率に比例している.
f:id:utata_kiyoshi:20120819221742p:image:w360
たとえば表になる確率55%のコインについて考えると,
このコインが取り出したコインである確率は(破線で囲まれた部分の面積)/(赤い部分の面積)である.


それぞれのコインについて計算する.

表になる確率p 5% 15% 25% 35% 45% 55% 65% 75% 85% 95%
取り出したコインである確率 0.08% 0.68% 1.9% 3.7% 6.1% 9.1% 13% 17% 22% 27%


コインをもう一度投げて表である確率を求める.
コインが表になる確率pを,それが取り出したコインである確率で重み付けして平均を取る.
つまり,
5%*0.08% + 15%*0.68% + ... + 95% *27% = 74.8%


"二度あることは7~8割の確率で三度ある"ことがわかった.


ここでは「二度あったこと」以外には何も情報が無かったと仮定して,コインを取り出す確率を均等にした.
(”ほんとうに"情報が何もなければ,宇宙人がいる確率は「いる」と「いない」の50%-50%である.)


当然,袋の中のコインのpの分布が小さい方に偏っていれば三度目の確率は小さくなるし,
大きい方に偏っていれば三度目の確率は大きくなる.


だから,バッターが二打席連続HRを打ったとしても,三打席連続HRにはなかなかならない.


参考:ベイズ推定 - Wikipedia