アルゴリズミ子の良い所探し
「世界を変える魔法!アルゴリズミ子研究所」という番組を見た。不満もそこそこあるものの、アルゴリズムを伝える番組として他のどれよりも楽しく見られると思ったので、この番組の「よいところ探し」をしようと思う。
はじめは Twitter で連投しようと思ったのだけれど,書いてみるとそこそこの量になったのでブログに投下する.だから文章が唐突で Twitter っぽい感じになっているのは許して欲しい.
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例えば、「アルゴリズムとはコンピューターを使って問題を効率よく解く……」と普通にアルゴリズムについて説明しようとする。この説明の前には「コンピューターの限界」という壁がある。
一般的な使い方ではコンピューターは瞬時に処理を終えて応答する。効率が多少変化したところで1秒程度の差であり、普通の人は待つことができる。
これに対して、「処理が大量すぎると、コンピューターが処理しきれなくなる」という問題は、これだけで一つのテーマとして動画が作れるほどの内容である。
「コンピューターの限界」を知らなければアルゴリズムの問題がそもそもなぜ問題なのかが分からない、このような2段構えになると理解のハードルは急激に高まる。
現に、"数え上げお姉さん"は「コンピューターの限界」についてのみを10分以上かけて伝えており、アルゴリズム自体については「それを使えば現実的な時間で計算ができる」とだけ述べられてブラックボックスのままにされている。
一方、"アルゴリズミ子"では、「コンピューターの限界」の問題をうまく避けるように問いが立てられている。「自由キーワードでしぼる」「ほめ言葉でしぼる」ではそもそも正解にたどり着くことができない。
「正しい処理だが時間がかかりすぎるものを改善する」というのは「まず正しい処理をする」よりも1段階難しい問題であって、アルゴリズムを知る初めの段階でまず扱うべきなのは後者である。
(なぜ有野の考えた手順が失敗してしまったか、について説明されることなく正解の発表に移ってしまったのは残念だった) ("5回のお見合い"についてはよくわからないのでスルー)
また、空欄に処理を表す言葉を入れるとイイカンジに処理をしてくれる"箱サマ"もよいギミックである。考案したアルゴリズムはプログラムとして実装しなければならない、あるいは出来なければ手で実験しなければならない、という問題をうまく回避している。
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アルゴリズムを伝えるための題材や方法が確立され、多くの科学番組で物理、宇宙、生命などと肩を並べて扱われるようになる時代になるとよいとおもう。